参院選の翌日にあるフリーダイヤルから電話がありました。たまたま電話を取れなかったのですが、その後も何度もしつこくかかってきたので折り返しました。読売新聞の世論調査でした。
その中で、今後安倍政権が取り組むべき政策を問われました。憲法改正だの財政再建だの少子高齢化対策だの年金問題だのという選択肢があって、日本の未来は厳しいということを思い知らされました。
それでも日本は平和な国です。なにしろテレビをつければずっと吉本興業のお家騒動を伝えています。
参院選のことなんてもう誰も気にしていません。京都アニメーションの事件がなかったとしても、きっとその分吉本興業のニュースに多く時間が割かれただけでしょう。
吉本興業の一連の動きについて特に感想はありません。ただ思ったのは、炎上を吹っ飛ばすにはより大きな火を放り込めばいいということです。
今回の発端は、茨木市出身の人気芸人さんと高槻市出身の人気芸人さんを含む複数の芸人が、特殊詐欺グループの忘年会に、(直営業などいろんなポリティカリーコレクトな言い換え表現もあるようですが)闇営業で出演していたことが報じられたことでした。
反社会的勢力との関係を断ち切ろうともがいている吉本興業は、彼らを謹慎させました。
闇営業に加わっていた芸人たちは、当初ギャラを貰っていないと言っていたのが、茨木市出身の芸人さんは100万円、高槻市出身の芸人さんは50万もらっていたことがわかったことで炎上しました。
SNSなどネットの書き込みを見ていても、ギャラをもらっているということは、反社会的勢力と知っていたのだろう、などと批判が集まりました。
そして茨木市出身の芸人さんは、吉本興業にマネジメント契約を解除されてしまいました。
翌日茨木市出身の芸人さんが北新地のキャバクラで別の反社会的勢力と乾杯している写真が週刊誌に掲載され、「契約が解除された理由」がわかりました。
これですべてが終わると思いました。彼は実家のたこ焼き屋さんを継ぐのだろう、と思いました。
ところが、茨木市出身の芸人さんと高槻市出身の芸人さんが開いた会見で形勢は逆転します。
吉本興業の社長らに真実をすべて語って謝罪したいと訴えたが、認められなかったということを涙ながらに告発したのです。そのときにパワハラ的な発言があったということもぶちまけました。
このことが、これまで吉本興業に面従腹背を決め込んでいた芸人たちも不満をぶちまけだして、今に至っています。
あえていうと、茨木市出身の芸人さんも高槻市出身の芸人さんも、疑惑が晴れたわけでもなんでもありません。
一般ピーポーの世界では、反社会的勢力と付き合いがあるだけで下手すれば一発アウトです。
怪しい営業に、しかも会社を通さずにホイホイ出ていったり、見知らぬ?いかついお兄さんと嬉々として乾杯したり、脇が甘すぎると言わざるを得ません。
でも会社に弾圧されたという爆弾発言をすることで、炎上を吹っ飛ばして世間を味方につけたのです。いわばロウソクの火を消すのに爆弾を落としたようなものです。
その後はいろんな人が加わってきてグチャグチャです。でもこれは最初のシナリオ通りのような気がします。
実は今回の会社のパワハラも、炎上の火消しを狙った壮大な自作自演を見せつけられているような気もします。会社が悪者になって商品たる芸人を守っているのではないでしょうか。
すべてがうやむやになって、いつの間にか茨木市出身の芸人さんも、高槻市出身の芸人さんも復帰している気がします。もちろん吉本の経営陣も変わりません。
きっと最初にクビになった、人脈を誇る、闇営業をアレンジした芸人さんだけが戻って来ないのでしょう。
これを人は茶番と呼びます。