国立情報学研究所などによる東京大に合格できる人工知能(AI)「東ロボくん」の開発プロジェクトが頓挫したようです。2年連続してセンター試験で偏差値57まで到達したものの伸び悩んだようです。
数学や物理は好成績を修めたものの、「意味を深く理解しないといけないことを聞かれると、とたんに難しくなる」とのことで、英語や国語に苦戦したようです。
これは現状の自然言語処理が、「共起」をベースに処理されていることが原因のようです。テキストにおいて特定の文字列が別の特定文字列と同時に出現すること(共起)で意味の関係性を分析しているからです。
正確に言うと意味の関係性を分析するというよりは、関連がありそうだという類推にすぎません。
GoogleやYahoo!であるキーワードで検索すると、別の検索候補や複合検索キーワードが表示されるのも、キーワードどうしの意味の関連を理解しているからではなく、あくまで同時に検索されることが多いという統計に基づく類推なのです。
今後研究の進展で新たなパラダイムシフトが起こる気もしますが、人工知能(AI)には文系的なことは難しそうです。つまりSEOも難しいと思われます。
「人工知能に取って代わられる職業はこれだ」などと喧しい昨今、SEOでならしばらくごはんが食べられそうで安心しました。
そう、じつはSEOはきわめて文系的なスキルです。極端な言いかたをすると、HTMLすらわからなくても文章を書くだけで検索順位は上げられます。
共起でなくても、集客できそうな複合キーワードもキーワードツールを使わなくても国語力やマーケティングセンスで見つけ出すことができるのです。
ところで国立情報学研究所の研究者が「もっと国民の役に立てる研究に」シフトすると言っていました。
個人的にはSEOがAIに取って代わられたらいやですが、こういう基礎研究は(たった今)国民の役に立たなくても続けたほうが国家的には正解な気がします。