茨木市議会議員選挙が終わりました。茨木広告宣伝舎でもテレワークを実践しておりますので、自宅付近に選挙カーが回ってくると少々閉口しました。しかし、投票率がほぼ100%で当選する人が100%予測できる国があることを考えると、民主主義のコストとしては致し方ないのかもしれません。
ところで書きたいことがあったのですが、選挙が終わったので書きたいと思います。
デザインの世界で「ジャンプ率」という言葉があります。国内の週刊少年マンガ誌の総発行部数における「週刊少年ジャンプ」のシェアのことです。ええ、もちろん嘘です。
ひとことでいうと、見出しと本文の級数(ポイント数)の差など、強調する部分としない部分の文字の大きさの差を指します。広義には、フォントのウェイト(太さ)や、色、装飾などでコントラストをつけることも含まれるようです。
見出し
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まぁこんなことですね。
さらにウェイトを変えるとコントラストが生まれます。
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さらに色も変えても強調できてよいかもしれません。
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さらに新聞の見出し風に白抜きで目立たせることもできます。
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ここまでやるとなんとなくジャンプ率の効能をわかっていただけるのではないかと思います。
選挙の前日に茨木広告宣伝舎のオフィスからほど近い春日丘高校の前を歩いていると、選挙ポスターの掲示板がありました。
写真をご覧いただければわかりますが道路を挟んで向かい側から見ていました。ひいて見ることで選挙ポスターには一定のフォーマットがあるということを改めて認識しました。
そう、選挙ポスターは、ジャンプ率が大きいのです。とにかく姓か名のどちらかだけを目立たせるのです。
文字の大きさはもちろん、色や縁取りなどいろんなテクニックを駆使して目立たせるのです。
他の情報は重要ではありません。下手をすると顔写真よりも大きくてよいのです。
選挙期間中にどれだけ政策や実績を訴えたところで、名前を覚えられなければ意味がありません。投票所に行くと投票台には文字で名前しか記載されていないからです。
名前をうろおぼえだと、違う候補に投票してしまうことだってありえるのです。
だから選挙カーも、ひたすら名前を連呼します。「政策を前に進めてまいります」とかどうでもいい抽象的なことをごにょごにょ言いながら、姓名だけ強調します。
ちなみに音でジャンプ率をつけるには、「い・ば・ら・き」のように一文字ずつ区切って発音するとよいようです。
とにかく選挙ポスターではジャンプ率が重要で、とにかく姓名を強調することが必要なのです。
その点で公示日の時点である程度落選する候補は目星がついていました。「わきもとひでし」さん、「浜守たけし」さん、「山崎文明」さん、「スエオタカシ」さんあたりは選挙ポスターだけでだめでした。
その他の落選者も、「滝ノ上万記」さんや「しきち龍一」さんもよく見るとあまり名前が目立っていない気もします。
不思議なのは「上田ミツオ」さんも名前が目立たないのに当選されたことです。よほど強い支持基盤があるのでしょう。
今回苦杯をなめた方々も次回はぜひジャンプ率を意識しながらポスターを作っていただくことをお願いして、私からの挨拶とさせていただきます。