徹底した顧客第一主義で支持を広げてきたインターネット通販Amazon。個人的にもよく利用させてもらっています。
出店者に対応を丸投げする楽天などに比べて苦情対応なども非常に評判がよいと聞いています。
日本でも年間売上が1兆円を超えたとかで、国内EC市場で2割のシェアを獲得して最大手に成長したそうです。
その破壊力はすさまじく、アメリカではスーパーマーケットやGMSを軒並み業績不振に追い込み、最近も玩具のカテゴリーキラー「トイザらス」が事業売却すると報じられています。
アメリカでは「デス・バイ・アマゾン(Death by Amazon)」ということばまで生まれて、既存の企業を踏みつぶしながら成長を続けています。
そんなAmazonが日本でも牙を剥きはじめているようです。
先日もマーケットプレイスの出店者などから協賛金を徴収しているという報道がありました。
そして今日は、Amazonに公正取引委員会が立ち入り調査に入ったとニュースになっています。
競合する通販が安く販売している商品を対抗値下げして、卸やメーカーに差額を補填させていた疑いがあるというのです。これは公正取引法にある「優越的地位の濫用」にあたるということです。
百貨店で仕入に携わっていると、公正取引については厳しく指導されました。かつては小売業界の雄であった業態だけに、当局から目をつけられやすいということがあったからでしょう。
いまや百貨店は風前の灯で、Amazonも小売のメインプレーヤーの一つとなったにもかかわらず、そうしたことを気にかけているようには見えません。
それはやはり圧倒的な顧客の支持があるからでしょう。顧客のためなら多少の向こう傷も厭わないのかもしれません。
しかし、商売をする側にとってはたまったものではありません。
かつて楽天がブイブイ言わしていたころは、高い出店料やメルマガなど様々な販促にかかるオプション料金が質の悪い商法に見えたものです。
しかし、法を犯した暴挙に出るAmazonのほうが質が悪くなりつつあるのかもしれません。
こうした状況では、競合する小売はもちろん、卸売業や小規模メーカーというのはAmazonに翻弄されることになるでしょう。
たとえば書籍の仕入は出版取次を外して出版社との直接取引に舵を切り始めています。
いままでの書籍流通が非効率だったということもあるでしょうが、既存の商慣行なぞものともしないのです。
こうした時代に生き残るにはどうすればよいのでしょうか。正直卸売業、とくに消費者向け商品の卸には未来はないでしょう。
小売業も、とんがった品揃えや、地域密着・地元密着で配達までするなど、相当努力する必要があるでしょう。
しかし、メーカーは生き残れる可能性は十分にあるでしょう。AmazonもAmazonベーシックなど一部オリジナルブランド(プライベートブランド・PB)を販売していますが、自社で作っているわけではありません。OEMです。
Amazonも別にメーカーは目指していないでしょう。あるていどまとまった販売数量が見込めるものを選んで、完全買取仕入することで利益率を向上させているだけです。
そうなるとメーカーは強いのです。もちろん競争に晒されるものは厳しいかもしれません。しかしブランド力をつければ生き残れるかもしれません。
たとえば指名買いが来るようなお取り寄せグルメ的なものは強いでしょう。
意外に伝統工芸的なものも良いかもしれません。手間がかかりすぎる上に大量生産できないだけに競合が参入する心配がありません。もっとも大きくは儲かりませんが。
アパレルが不振とはいわれますが、アパレルもよいかもしれません。新興の裏原系ブランドのようにブランディングがうまくいけば、わざわざ通販で購入してもらえるでしょう。
家電もバルミューダやシロカのようなこだわり家電も生き残れるでしょう。
しかし、Amazonに卸してはいけません。取扱高が大きくなると経営的にも依存してしまいます。
そうなると生殺与奪を握られてしまいます。不当な協賛金も拒めません。
それよりも独自ドメインで、自社のインターネット通販サイトで細々と販売するのです。商品に力があれば、最初は細々でもしだいに太くなっていくことでしょう。
茨木広告宣伝舎ではホームページ制作のほか、インターネット通販サイトの制作も行います。
ささげ(採寸・撮影・原稿)業務も得意です。北摂(高槻市・茨木市・吹田市・摂津市)のメーカーさんのご相談お待ちしています。
昨日の茨木市の天気
晴れて20℃前後まで気温が上がりました。
今日の茨木市の天気
朝も暖かく感じました。穏やかな天気で20℃前後まで気温が上がりました。