先日公開した飲食店メニューの制作事例について、撮影のセッティングがどうなっているのか問合せがありました。
実はかなり最小限の備品で撮影しているので公開するのも恥ずかしいのですが、特別に公開します。
使用機材は、一眼レフカメラ・三脚・レリーズ・撮影台・ランプです。
一眼レフと三脚はごくありふれたものです。レンズは広角から望遠までカバーできるちょっとだけ高めのレンズです。
シャッターを押すときにブレを防ぐためにレリーズを使用しています。
商品撮影専門カメラマンは、ブレないようにもっと頑丈な三脚を使っています。あるカメラマンが使っているのは「フランス軍が機関銃を設置する」という三脚でした。
たしかに重そうで頑丈そうでしたが、本当かどうかは定かではありません。
ちなみに、それでもレリーズは使っていました。おそらく不自然なアングルでの撮影もあるので、シャッターを押すときに無理しなくてもいいのだと思います。
撮影台は、ガス圧で昇降可能なテーブルを使用しています。
商品撮影(特に飲食店メニュー)は、俯瞰で撮影することが多いのですが、普通のテーブルなどに撮影するものをセッティングすると、カメラの位置が高くなってしまいます。
すると脚立に乗らないとファインダーを覗けなくなってしまいます。それを防ぐために撮影台をできるだけ床に近い高さにセッティングするのです。
ランプは2灯です。メインは真上よりもやや後ろ方向から当てます。補助のランプは手前から当てます。
補助のランプはなくてもなんとかなるのですが、手前が暗すぎるとやや不気味に見えます。補助の光でメニューでいうと皿の影が手前にできてしまうのを消すのです。
まず補助のランプを使わないと皿の手前に皿の影ができてしまいます。陰影がありすぎると、飲食店のメニューは美味しそうではありません。
建築などでは陰翳があったほうがよいのですし、谷崎潤一郎にも喜ばれます。
高い位置から当てると、メニューが不自然に光ったり、変な影ができます。ここでは奥の野菜の後ろに影ができて美味しくなさそうになっています。
そこで補助の光をかなり低い高さから当てるようにしました。皿の影が消えて全体的に明るく見えます。
メニューも、手前の食材にツヤ感がでています。