茨木広告宣伝舎ではさまざまな集客手法を研究しております。そのひとつに炎上マーケティングがあります。とにかくバズってくれればよいということで故意に過激な発言をしてみたり、誰かにけんかを吹っかけたりあるいは買ったりする手法です。
インターネットが普及する以前は、おもにマスメディアに取り上げられることを目的に行われてきました。
この時代の炎上マーケティングの実践者といえば石原慎太郎氏や浜田幸一氏、立川談志氏などがその代表例でしょう。
ソーシャルメディアやSNSのお陰で炎上マーケティングはさらに効果が上がるようになってきました。
ネット時代の炎上マーケティングの旗手といえば橋下徹氏、村本大輔氏などが挙げられます。twitterなどで他の政治家や有権者あるいは視聴者と連日バトルを繰り広げています。
ここ茨木でも地元の衆議院議員がきわめて高度な炎上マーケティングを実践されています。
茨木市議選が近いということでtwitterにfacebookと舞台を変えては他党の議員さんや有権者とネット上で激しい議論を続けています。
つい先日は、自党が推薦する茨木市議選の候補者さんがいろんな党を渡り歩いていることを指摘した他党府議と党の代表がtwitterで激しいやり取りをしているところに、自分があとは片づけておきます、とけんかを引き受けていました。
少し話がそれましたが、いまもむかしも炎上マーケティングの実践者には、政治家と芸人が多い気がします。
それは単純に名前を売ることが生存戦略だからだと思われます。
政治家はとにかく名前と顔を覚えてもらって投票してもらうことがすべての前提です。落選すればただの人、どんなによい政策を持っていても何の役にも立たなくなります。
芸人も同じです。とにかく顔を売って、テレビやラジオで起用されることが重要です。いちど忘れ去られれば、なかなか表舞台には戻れません。ネットで顔つなぎをしておくことが欠かせません。
さらに政治家も芸人も炎上すれば、マスメディアに取り上げられます。いまやネットのニュースもマスメディアに比肩する地位を築いているので、Yahoo!ニュース(Yahoo!トピックス、ヤフトピ)に取り上げられることも「おいしい」とされています。
こうした炎上マーケティングは、いまのところ目をひそめる受け手も多いのが実情です。しかし政治家も芸人も好感度はなくても、顔や名前が売れればよいのです。
極端な主張や、激しい議論は反発とおなじくらいのボリュームで共感を得ることができます。当たり障りのないことを言っていては埋没するだけです。だから政界と芸能界では炎上マーケティングが普及しているのです。
しかし逆に考えると、そこまできわどい手法を使うのは、足元が脆い立場のひとたちです。あるいていど安定してきたら、こんどはできるだけ取りこぼさないというマーケティング手法に切り替えててくることでしょう。
また話を元に戻します。では、地域密着(地元密着)型のビジネスで炎上マーケティングを選ぶことは得策なのでしょうか。
それはやめておいたほうがよいでしょう。
有権者やすべての視聴者など老若男女問わず老若男女問わず社会全体を相手に行っているビジネスというのはあまりないと思います。インフラとか医療など限られた分野です。
一部の対象顧客に商品やサービスを提供するのに、さらに顧客を選別する(顧客に選別される)ような手法をとることはリスクが大きいと思われます。
これが、全国、さらには全世界展開できる商品やサービスであれば多少尖がってみるのも手です。たとえばベネトンなどは社会性の強い、しかし物議を醸すような広告を打つことで知られています。
しかし地域密着(地元密着)のビジネスで炎上すると、顧客もそれを利用したり購入することに、まわりの目を意識したり、後ろめたさを感じることになりかねません。
といいつつ茨木広告宣伝舎が運用していると商業施設のSNSで年末に「幸せそうなカップルをみるとクリスマスを中止したくなります」という投稿をしてみました。このくらいの毒であればよいと思います。
じつはカップルを攻撃しているのではなく、それを羨んでいる発信者自身を貶めるものだからです。
残念ながら狙いとは裏腹にバズったりすることはありませんでしたが…。
SNSなどで多少毒を利かすのもバズるためにはよいかもしれませんが、くれぐれも限度をわきまえることをお勧めします。