この国の公務員の皆さんはいつになったらドメインの恐ろしさに目覚めるのでしょうか。

大阪市港湾局が2017年度に開設した「大阪港開港150年記念事業公式ホームページ」のドメインが放棄された(更新されなかった)ことで、ドメインが取得されてアダルトサイトになってしまったというのです。

旧・「大阪港開港150年記念事業公式ホームページ」
https://osakaport150.info/

以前にも、愛媛県新居浜市の観光案内サイトでドメインが放棄されたことでオンラインカジノのサイトになったことがありました。

ドメインの維持費用は多くの場合で年間1000円から4000円ていど。ブランドを毀損するリスクを避けるためにも、一度取得したドメインは維持していくべきでしょう。

それができないなら、既存ドメインのサブドメインを利用してウェブサイトを開設することも検討するべきです。

また維持することを見越して、ドメイン維持費用が高くなりがちな、突飛なトップレベルドメインを避けることも一つの手段です。(たとえば.incの維持費用はなんと298,000円なのです。)

ところでこうした放棄されたドメイン(中古ドメイン)が転用されるのはなぜでしょうか。

理由は簡単。SEOに有利だとみなされることが多いからです。

かつてほど重要性は薄れていますが、SEOにおいてバックリンク(被リンク)が多いことは、SEOに有利だとされています。

そしてどのサイトからリンクされているか、という質も重要です。公的機関や大学などのサイトは信頼性が高いと言われ、そこからのリンクは質が高いとされます。

そうした意味で、大阪のケースも愛媛のケースも、市役所など公的機関からもリンクを得られますので、質のよいバックリンクを持っている可能性が高いのです。

事実、今回のアダルトサイトへの転用が判明してから、大阪市はあわてて市役所のサイトから当該サイトへのリンクを削除しています。

しかも「大阪港開港150年記念事業」ともなると報道機関などからもリンクを得ているはずで、これも評価を高めることになるでしょう。

それでもなお、多くのリンクが残っているはずで、このアダルトサイトはこれからも日本、殊に関西から多くのお客さんを得られることでしょう。

ところで、茨木広告宣伝舎が制作したコーポレートサイトで、はからずも中古ドメインを使用してしまったケースがありました。

その影響でいろいろ対策に苦労していますが、長期的に見るとバックリンクが多くあるので有利になるかもしれません。

そうしたことも含めてこの事例をご紹介していきたいと思います。詳しくは次回に続きます。

新規のウェブサイト制作で中古ドメインをつかんで検索結果に影響した件(1)

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