茨木広告宣伝舎のオフィスがあるビルは、もともとシャッター街だと思われています(実際には9割がた埋まっています)が、お盆休みということで休んでいる店も多くて今日は閑散としていました。
特に今年は曜日の配列が長期の休みを取るのに適しているので、みなさんも夏休みを満喫されている方が多いのではないでしょうか。夏の思い出をスマホで写真に収めている方もいるでしょう。
でもスマホで撮ることに夢中になって肝心の思い出が薄れているような気もしないでもありません。
後から見返すと何の写真だったか思い出せないこともあります。メモ代わりに撮る写真も多いので仕方ない部分もあるでしょうが、酔っ払ったときに撮った写真はマジ意味不です。
今日もスマホの写真を整理していて2枚の写真を見つけました。茨木の学習塾のチラシを撮影した写真です。オフィスに配達してもらっている新聞に折り込まれていたものです。
この塾チェーンの戦略に感心したので撮影したことを思い出しました。
チェーンのブランド名はありながら、各支店?は、その地域の中学校名を冠した名称になっているのです。そして「〇〇中学校と□□小学校のための個別学習塾」というキャッチコピーも付けられています。
裏面にはチェーンの支店?各校も掲載されていて、やはりそれぞれの所在地が学区となっている中学校名を冠した名称となっているようです。
このようにエリアや属性でターゲット(対象顧客)を絞り込んで集客しようとする戦略に感心したのです。
正直なところ、どこの地域でもさほど指導内容に大きな違いはないはずです。むしろ、ターゲットを絞り込むことで、それ以外の顧客を取り込めなくなるリスクすらあります。
しかし逆にこれに当てはまる人への訴求力は大きいことでしょう。
よく当たる占い師というのは、実は誰にでも当てはまることを、さもその人固有のことを言い当てたように見せるのがうまいといいます。
たとえば20代くらいの女性には「好きな人と上手くいっていないでしょう」とか、40代くらいの男性には「仕事で人間関係に悩んでいるでしょう」というと、みんなハッとして「そうなんですよ~」と勝手に身の上話を始めるといいます。
自分だけに固有のことを言い当てられたり、ターゲットにされると、人間というのはドキッとして思わず耳を傾けたり、関心を持つものなのです。
こうした人間の心理を熟知した塾というのは、おそらく指導も上手いのではないかと思います。
さらに、エリアでターゲットを絞り込んだネーミングはSEOの効果も期待できます。
茨木とか、吹田とか地名を冠していいれば、「茨木 塾」「茨木 個別指導」などで検索されたときに上位に表示されやすくなります。
これと同じ戦略を取っているのが、社長が茨木にある追手門学院大学出身のフジオフードシステムの「まいどおおきに食堂」です。
チェーンとしては「まいどおおきに食堂」というブランド名を持ちながら、追手門学院大学近くの「茨木安威食堂」のように、地名を冠した店名を全面に掲げています。
また食堂の場合は地名を冠することで、地元の人から愛着を持ってもらえるかもしれません。
学習塾の場合は、愛着とは別次元の問題でしょうが、地元にあるということは、保護者に通塾させるのに安心感を与えることができるかもしれません。
いずれにせよなかなかの戦略だと思ってチラシを撮影してしまいました。
もちろんこの戦略は、ほとんどの広告宣伝・販売促進・集客において有効です。
ウェブサイト・ECサイトにおけるランディングページというのも、ターゲットを絞り込んでコンバージョンにつなげるために作成するという点で同じ狙いがあります。