日露戦争の旅順攻略などに見られるように、戦争においては戦力の逐次投入はよくないものとされています。しかし地域密着(地元密着)型のビジネスにおいてはリソースは逐次投入すべきだと思います。
現代のビジネス環境には考慮すべきパラメータが多く、こうしたらどうなる的な予測が難しいからです。最初から仮説を立てて持てるリソースをすべてつぎ込んで施策を実行すると、もし仮説が外れていても軌道修正がきかなくなります。
新たに店舗などを開店するときは、損益分岐点売上の半分くらいの売上が1年くらい続く覚悟で運転資金を確保すべきだと思います。
個人的な経験則では1年持ちこたえれば、その店は5年以上続きます。その壁を越えても10年は持たない店もあるのですが、これは売上や利益の問題ではなく、たとえば店主の健康や介護などの事情で閉店することも多いからです。
では、なぜ1年持ちこたえたらその店は長続きするのでしょうか。
まず、最初から顧客に刺さる商売ができるとは限らないからです。そしてなによりもビジネスには季節変動や季節ごとのイベントがあるからです。また地域密着(地元密着)型ビジネスでは知名度が上がって地元に浸透し、集客につながるのに1年はかかるからです。
1年目は試行錯誤の時期です。この期間は簡単に売上は上がりません。少しずつ軌道修正を繰り返して最適化するのに1年は見ておくべきなのです。
そして中元・歳暮、クリスマスや年度末などのギフト需要、季節の変わり目の温度に対応した需要、年中行事などさまざまな季節変動がビジネスには付きものです。(またそれに対応した販促を打つべきです。)
1年間持ちこたえないとこれらのすべてを把握できません。1年目は毎日こまめに営業日報を残して振り返り、翌年はこうしようと備えるための準備期間だと思います。本当の売上は2年目からなのです。
また、地域密着(地元密着)型ビジネスで短期間に広告を集中投下しても、全員に近いレベルにリーチするのは不可能です。むかしのようにメディアの選択肢がテレビ・ラジオ・新聞程度であれば簡単でした。
しかし今やミニコミ(地域メディア)やインターネットもあり、マスメディアの影響力は相対的に減りました。
新聞購読は若年層ほど少なくなっています。30代未満へのリーチは半分以下だと思ってもいいでしょう。テレビも最盛期の半分程度しか見られていません。ラジオは目も当てられない状況です。
いっぽう地域メディアやインターネットも種類やチャネルが多く、どうアプローチすべきかはすぐには判断ができません。手探りで広告宣伝を行うしかないのです。
もちろん茨木広告宣伝舎はポジショントークとしてホームページ(ウェブサイト)の作成・開設をおすすめします。しかし即効性は保証できません。1年くらいのスパンでじわじわ効いてくるものです。
とにかく1年持ちこたえるためには、リソースはケチケチと逐次投入すべきです。開業時にパーッと使ってしまうのは愚の骨頂です。
最後にまたポジショントークになりますが、茨木広告宣伝舎なら低料金でホームページを作成・開設できます。体力を温存しながら知名度が上がって集客力がつくのを待つことができます。