大手コンビニチェーンの店舗で、昨年のクリスマスに従業員が私物として冷蔵庫に保管していた食べかけのケーキを商品と間違えて販売してしまったそうです。
年が明けて昨日(1月17日)に「探偵ファイル」というネットニュースメディアが報じて明らかになりました。
それによると購入者が持ち帰ったケーキを食べようとしたところ、食べかけだったためクレームを入れたところ、
「店長、販売した店員、地区担当責任者が被害者宅を訪れた。店側はケーキの交換と共に返金を申し出たが、被害者は拒み、『必ず原因を究明してほしい』と要請した。それに対し、週末のため26日まで対応できないと店側は主張した」
といいます。
書いてあることを信じるのであれば、食べかけの私物を誤って販売したこと自体は問題ですが、正直ありえないことではないと思います。
たとえば百貨店でもお中元のギフトセンターで展示用ろう見本を販売してしまうとか、トンカツ屋さんで見本のトンカツ盛り合わせを販売してしまうような事故はありました。
そして店長と本部の責任者が対応に訪れたこと、ケーキの交換と返金を申し出たことは極めて適切な対応だと思います。それがなぜここまでもめて、リークされたのでしょうか。
記事をそのまま字句どおりに解釈すると、原因究明を要求した購入者に「週末のため26日まで対応できないと店側は主張した」ことにあるように思います。
購入者にすれば買ってきたケーキが食べかけだったのは気味の悪い話です。一刻も早く事情が知りたいのは当たり前です。そして代わりのケーキを持ってこられても薄気味悪いだけです。
そうした購入者の気持ちを忖度することなく、「週末のため」という自分たちの事情で対応できないと主張したからではないでしょうか。「主張した」というのはニュートラルな表現ですが、購入者は「突っぱねた」と受けとったのでしょう。
「週末のため」というのも悪意で解釈すると、週末とクリスマスで多忙で対応できない、あるいは、担当者が休みで確認できない、ということです。善意に解釈しても仕入先の工場が休みで確認できない、ということです。
これが食中毒だったら同じ対応になるのでしょうか。そうではないはずです。それが購入者も分かっているから大事になったのでしょう。ここまでの対応に誠意を感じられなかったので、購入者は本部のお客様相談室にも連絡をしたのです。
シフト制なのですぐには従業員全員に確認できないにせよ、「すぐに調査します。時間がかかるかもしれませんが、分かり次第再度ご連絡差し上げます」といえば購入者も納得していたはずなのです。
トラブルは即座に、しかも丁寧確実に対応しないと事は大きくなります。いったんボタンを掛け違うと、その後もミスが続く傾向にあります。中途半端な対応はミスの連鎖を生みます。
本業の通販でも、つい先日コールセンターが配達先の住所を誤って入力していたことがありました。このような事故はイレギュラー事象としてこちらで引き取って処理します。
再発しようとして送り状を作成しようとして悪い予感がしたので、「修正した住所」を念のため確認したところ誤ったデータのままでした。
トラブルを上手く処理すると却って顧客に感謝されることもあります。トラブル(クレーム)処理は後ろ向きですが、販売促進や集客につながることもあります。でもトラブルは迅速、丁寧に対応しないとさらなるトラブルを招くのです。