ある市の市役所の産業振興を行う部署が、市内の事業所情報を掲載するポータルサイトを開設しています。
奥歯にものが挟まったような書き方ですが、はっきり書くといろいろ物議を醸すのでこのくらいで勘弁してください。
市内に拠点を構える企業・商店を中心とした市内事業所の情報を発信する事により市内産業の発展・市民の皆様の生活を向上させることを目的とした「情報発信ポータルサイト」です。
市内企業の「いま」を発信する
市内に拠点を構える企業の基本情報(事業者名称、業種、住所など)を掲載しており、各事業者の強み、PRポイントなどを 様々な写真と共に知ることができます。更に、登録事業者主体による最新情報の発信を可能とすることで、各社の「いま」を知ることができ、市内企業活動の活性化を図ることを 目的としたサイト運営を行っております。
市内商店やサービス業と市民を「つなぐ」
あいきゃっちでは、企業活動だけではなく、市内に立地する商店・サービス業の紹介も行っております。
こちらもお店の基本情報(名称、業種、住所、サービス内容など)を掲載しており、写真付き最新情報を発信することで市民の生活に更に役立つ情報提供を行う事を目的としています。
開設から10年ほどたった昨年度、このポータルサイトをウン百万かけてリニューアルしました。
もともといろいろ問題のあったポータルサイトを生温かく眺めていました。すると市役所がリニューアルすると発表して入札で事業者を選ぶというので、いちおう公募内容を見てみました。
サーバーの性能などについてもいろいろ条件がつけられていましたが、それよりも重要な条件がありました。
すでに1000を超える事業所が掲載されているのですが、これらのコンテンツのメンテナンスを行うというものです。
いちおうこのポータルサイトは掲載されている事業者が自主的に掲載を申し込んで、アカウントを持っていて掲載内容をメンテナンスしていることになっています。
しかし、掲載されている人たちにきくと、最初は「コンサルタント」を名乗る人たちがアンケートをばらまいて、バタバタと写真を撮って、勝手に掲載したそうです。
交付されたアカウントなんてとうの昔に紛失しています。当然情報の更新などは行っていません。
つまりコンテンツのメンテは人海戦術で、少なくとも数百の事業所を回る必要があるということです。
システム的には構築できそうでしたが、予定価格からみてコンテンツのメンテナンスにかかる人件費がとても見合うとは思えなかったので、引き続き生温かく見守ることにしました。
それでも入札した業者はいたようで、年度末の3月下旬にリニューアルしたウェブサイトが公開されました。
それを見て仰天しました。
茨木広告宣伝舎のあるビルにある事業所も20か所ほど掲載されているのですが、なんとそのうちの4店舗がすでに閉店しているものでした。ひどいところではすでに3年前に閉店していました。
また掲載されている情報も以前のものをそのまま移行しただけです。掲載されているウェブサイト(ホームページ)もことごとくリンク切れしていました。
とても”市内企業の「いま」を発信する”とか”市内商店やサービス業と市民を「つなぐ」”と言えるものではありません。
多少検索性が向上していたり、https対応していたり、スマホ対応(レスポンシブウェブデザイン)していたり、ということはありますが、これなら前のウェブサイト(ホームページ)のままでも充分でした。
公務員のつくるウェブサイト(ホームページ)は、システム(プログラムやインフラ)に目が向きがちです。しかし重要なのはコンテンツなのです。
本来は、コンテンツのメンテを毎年だれかに委託してやらせるべきなのです。しかし単年度でしか物を考えられない公務員と政治家の思考では、それを望むべくもありません。
だからこのような「ポータルサイト」は役所が作る必要はありませんし、作るべきでないのです。
昨日の茨木市の天気(2018年6月5日)
朝は晴れていましたがしだいに曇りました。15時ごろから小雨がパラつき、夜には本格的に降り始めました。
今日の茨木市の天気(2018年6月6日)
朝から雨が降り続きました。気温も半そででは少し涼しく感じました。近畿でも梅雨入りが発表されました。