発言が物議を醸すことが多いトランプ大統領のおかげ(?)で「ポリティカル・コレクトネス」ということばが再びクローズアップされています。
ウィキペディアによれば、ポリティカル・コレクトネス(political correctness)とは、「政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、職業・性別・文化・人種・民族・宗教・ハンディキャップ・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を指す。」とのことです。
日本ではこれまであまり人種や民族についてポリティカル・コレクトネスはあまり意識されてきませんでした。最近はヘイトスピーチなどで多少は話題になりますが、やはり性別に関連して注目されることが多いように思います。
古くは調味料メーカーのCMで「わたし作る人、僕食べるひと。」というコピーが、性別役割分担を固定化するものとしてフェミニズム方面で大炎上しました。
人間に対してだけではなく動物に対しても、ポリティカル・コレクトネスが求められることがあります。以前も触れましたが、昨年は魚を氷漬けしたスケートリンクが激しい批判にさらされました。
社会意識の変容やSNS・ソーシャルメディアの普及で、ポリティカル・コレクトの流れは基本的に広がりこそすれ、衰えることはありません。確実に以前よりも炎上しやすくなっています。
ポリティカル・コレクトネスを意識してウェブでの広告宣伝やウェブプロモーション(販売促進)を展開するようにしましょう。
ただ、ポリティカル・インコレクトでも炎上しないこともあります。茨木広告宣伝舎の本業であるラジオショッピング原稿で性別役割分担の固定化につながりかねない表現をしても苦情はありません。
たとえば冷凍惣菜のラジオショッピング原稿で、「ごはんさえ炊いておけば、だんなさんを置いて外出しても安心ですよ」という表現をしても炎上しません。原稿を書くときはかなりおっかなびっくりでしたが大丈夫でした。
おそらく調味料のコピーは第三者目線なので、客観的立場から性差別を肯定しているように見えたのかもしれません。しかしラジオショッピングでは、女性のショッピングキャスターがこの原稿を読みます。女性が女性に語りかける視点だから印象が違ったのかもしれません。
TBSラジオで毒蝮三太夫さんが「まだ生きてたのかよ、ババァ」などとリスナーに語りかけても、当の「ババァ」や他のリスナーも大喜びなのは、やはり愛情がこもっているからでしょう。
クサい言い方ですが、広告宣伝にも愛情がこもっていれば多少のことでは炎上しないのかもしれません。