アメリカ大統領選はドナルド・トランプ氏の勝利に終わりました。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の調査では、今回の大統領選でアメリカの有力紙100紙のうち、クリントン支持57紙に対し、トランプ支持はたったの2紙だったそうです。それでもトランプ氏は勝利しました。
そもそもマスメディアには、議題設定(アジェンダ・セッティング)機能やフィルター機能があります。
多くのニュースの中からニュースバリューのあるニュースを選別し、世論全体の議題や課題の設定に寄与しています。
また、重要でないもの、あるいは公序良俗に反するようなキワモノをフィルタリングしたりもします。もしくはあくまでもキワモノとして扱うことでメインストリーム(主流)ではないことを明らかにします。
そのようなマスメディアが、トランプ氏のような暴言型のキャラクターをメインストリームに担ぎ出すことはあまりありません。そもそも露出させないこともあります。
日本でも、たとえば東京都知事選挙などで政見放送などで暴言を連発する候補がマスメディアなどで取り上げられることはありません。マスメディアが取り上げるとしても、雑誌や夕刊紙などの下世話系メディアくらいです。
こうした暴言型政見放送が話題になるのは、むしろインターネット上です。掲示板やSNSで拡散します。
また、茨木市が含まれる大阪9区選出の足立やすし衆院議員(維新)が、国会で民進党をアホよばわりしたニュースもあまり大きく取り上げられませんでした。こちらもむしろインターネットで話題になりました。
また足立議員ご本人もSNSを活用していることもあり、SNSで積極的に主張を拡散した部分もありました。
トランプ氏も暴言で注目を集め、SNSで拡散されたのでしょう。SNSではセンセーショナルなものは共有されさらに拡散します。
このような暴言や、一刀両断型の威勢のよさに快哉を叫ぶ人もいます。日本でも石原慎太郎氏や浜田幸一氏、橋下徹氏などが人気があるのはそういった点に惹かれる人も多いからだと思います。
そしてトランプ氏は共和党の候補になったことで完全にメインストリームとして扱わざるをえなくなったのです。
つまり、インターネットのパワーがマスメディアを凌駕したのです。
インターネットの言論空間にはマスメディアに反感を持つ人も多くいます。トランプ氏はマスメディアが偏向していると攻撃したこともあり、こうした人々も取り込んだのでしょう。
マスメディアが選挙結果を読み誤ったのは、マスメディアに反感を持つトランプ支持者たちが調査に協力しなかったり、わざとミスリードする回答を行った可能性もあります。
こうした点でもマスメディアは敗北したのです。
またSNSを通じてトランプ氏を知った有権者は、マスメディアを通さず、インターネットでトランプ氏にダイレクトにつながっているという一体感も醸成していたかもしれません。
「俺たちが発掘して育てた」というある意味、AKBやももいろクローバーZのファンにも似た感情かもしれません。
これからの政治はウェブサイトやSNSなどインターネットを活用してダイレクトに有権者に語りかける、ダイレクトマーケティングになるのかもしれません。
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